オプティカルスイッチ採用キーボード
昨今のゲーミングデバイスでは主流となりつつあるオプティカルスイッチ採用のキーボード。
接点を持たないスイッチを使ったキーボードもかなり増えてきていますが、ゲーミングデバイスの本場は今なお欧米圏であり、いわゆる日本語配置であるJIS配列の先進ゲーミングキーボードは、探してみると意外と選択肢が少なく、日本での流通に長けた数社からの選択となっています。
その中で、今少しずつ勢力を伸ばしているRoccatから、JIS配列のオプティカルスイッチキーボードがラインナップされている。
それが【Vulcan TKL Pro】ㅇㅅㅇ。
TKLの名の通り、テンキーレスでデスクを圧迫しないサイズ感は、マウスを振るスペースを充分に確保してくれるため、FPSを始めとした現在の流行をおさえたゲームの操作にとても最適。
また、フルサイズと違って持ち運ぶ上でも比較的小さくまとまってくれるため、自宅以外のPCに慣れ親しんだ環境を持ち込む事も容易なのが嬉しい。
目玉であるオプティカルスイッチは接点が無いため、メカニカルスイッチの宿命だったチャタリングを回避し、キーの寿命も大幅に伸ばしてくれている。
チャタリングに関しては、ゲームだけでなく入力作業などでも煩わしい思いをした事がある、といった人は多い。
メカニカルスイッチにおいても、近年はチャタリング対策はかなり進んできており、不意の誤入力は少なくなってきているが、逆に言えばその誤入力を打ち消すためにわずかな処理を挟んでいるため、特にPVPゲームなどにおいてはそのわずかな処理の差で相手にアドバンテージを取られる、と言った事も少なくない。
オプティカルスイッチは、レーザーの光を遮っているか否かで入力の判断を行う、理論上はチャタリングがそもそも起きない仕組みであり、ゲーミングシーンにおいてもそれ以外の場面でも、不安要素を1つキャンセルしてくれる。
また寿命に関しては、電気的・機械的な接点が無いため、打鍵による物理的な摩耗部品は事実上存在していない（厳密にはキーリターンなどの部分で摩耗部品自体は存在するが、打鍵によるダメージでは無いため摩耗は無視できる程度に軽微）。
そのため、公称対応入力回数を実に1億回と想定しており、人生を賭しても使い切れるかどうかわからない回数を謳ってくれている。
一般的には、キーボードとはコロコロと買い替える物ではないため、これだけの入力回数に対応してくれる安心感は大きい。
ゲームシーンにはあまり縁が無い人には、us配列に馴染みが無いという人も多いため、海外企業にも関わらずこのスイッチでJIS配列をラインナップしてくれているのは、非常にありがたい事だ。
特徴的なキーキャップ
Vulcanのもう1つの魅力が、特徴的なキーキャップにある。
Valcanのキーキャップは一般的なキーボードでイメージされるキーキャップとはデザインが大きく異なり、キーキャップと言うよりはキーパネル・キープレートと表現した方がしっくり来る。
ゲーミングデバイスの楽しみの1つと言えば、どのようなライティングで視覚的に楽しませてくれるかが挙げられるが、Vulcanは先にお伝えした通り、キーキャップがキースイッチのサイドを覆わないデザインなので、キースイッチを照らすライティングがキーの横からもしっかり溢れてくる。
このため、キースイッチからのライティングは他に無い美しさを演出してくれる。
ただし、キーキャップには1つ欠点があり、当然ながら覆う面積が少ない分、ほこりなどは侵入しやすいため、この点だけは注意が必要である。
しかし、これは裏を返せば入り込んだほこりなどを視認しやすいとも言え、エアダスターなどの清掃リソースを効かせやすいとも言えるため、メンテナンスの回数は増えるかもしれないが、メンテナンスの手間は下がるとも言える。
せっかくの優れたキーボードなので、ここは1つ必要な作業だと思って、愛着を持ってこまめなメンテナンスをしてあげて欲しいと思う。
実際、通常のキーキャップを持ったキーボードであっても、メンテナンスをこまめにしているか否かで、発揮するクオリティの安定感や寿命は大きく変わる。筆者のようなさぼり癖のある者には丁度良いかもしれない。
今ならまだ、1つの個性として主張できるくらい、日本では馴染みが薄いRoccatデバイス。
しかし、そのポテンシャルは日本でのトップシェアを持つメーカーと全く遜色が無い、それどころか場合によっては上回る事すらあり得る。
機能的にもシェア的にも、他のユーザーに差を付けたい方にお勧めの逸品である。
商品
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